わたしが考える「きれいな文字・美文字」とは?
myMOJIのホームページ・ブログをご覧のみなさま、いつもありがとうございます。
東京・表参道の書道ペン字教室、myMOJIまいもじ主宰の萩原季実子です。
2014年の7月に、当時会社員だった私は、副業として書道ペン字教室を月に1回のペースでスタートしました。
おかげさまで、これまで900名以上の生徒さんと出会う教室になり、毎日「文字」と向き合う幸せな仕事をしています。
■よろしければ、こちらのきみこストーリーもあわせてご覧ください。
最近では、講演や、メディアの企画協力や取材をしていただくチャンスもあり、打合せで、
「萩原季実子さんにとって、きれいな字とは何ですか?」
と聞かれることが多くなってきました。
今回の記事に、「わたしが考えるきれいな文字・美文字とは」について書きたいと思います。
みなさんは、じぶんの字が好きですか?
教室で出会う生徒さんに、わたしはこの質問をします。
すると・・・
「わたしは自分の字が嫌いで・・」
「昔からコンプレックスがあるんです。人前で書くことを避けてきました」
「部下から字が汚いと言われて教室に行ってこいと言われました」
「字が汚いから、冠婚葬祭のときも、主人は私に字を書かせません」
といった、具体的なお悩みまでみなさん真剣な顔でお話ししてくれます。
もちろん「自分の字が好き、書くことが好きだからもっと楽しみたい!」という方もいます。
SNSやパソコンなどで気軽にメッセージのやりとりができる現代。
なぜ、こんなにも手書きに魅力を感じるのでしょうか。
なぜ、人は「字を習いたい」と思うのでしょうか。
大人になればなるほど、「いきなり」手書きが必要なシーンが訪れます。
そんな時、「ああ、書きたくないなぁ。」と気持ちがどんより落ち込むのか。
「よし、気持ちを込めて、書くぞ。」とワクワク楽しい気持ちになるのか。
文字には、そのまま正直な気持ちが相手に伝わってしまうものなのです。
あらためて、この記事を読んでいるあなたに聞きます。
あなたは、じぶんの字が好きですか?
お手本のようにそっくりそのまま書く、がきれいな字ではない
こんな生徒さん(Aさん)がいらっしゃいました。
Aさんは、レッスンに何度か通ってくださり、私が見ると、とってもきれいで、お手本の字を忠実に書いてくださり、
誰が見ても
「きれいな字」。
Aさんに、わたしは言いました。
「とても上達しましたね!職場や、家庭でも褒められることが多くなったのでは?」
すると、Aさんはこう答えました。
「いえいえ、わたしなんて。
まだまだ上達していません。自分の字に満足していません。
だから、あまり人に見せないようにしています。」
この答えを聞いて、わたしはびっくりしました。
誰が見ても、きれいな字。
でも、当の本人は納得していない。
なぜ?
わたしは悶々と考え始めました。
その時は、わたし自身が「お手本のようなきれいな字こそ、良い字だ。」と思っていたんです。
そして、この生徒さんとの出会いをきっかけに
自分の指導スタイルを変えていく覚悟を決めました。
きれいな字とは、等身大の、じぶんの字を好きになることである
それから、わたしは、生徒さんを注意深く観察するようになりました。
じぃ~~~~っと(笑)
特に、表情やコトバを徹底的に感じるようにしました。
そして、何か少しでも生徒さんの表情がゆがんだり、笑顔がなかったりしたら、
「なぜだろう」と考え、声をかけたり、何か悩んでいること、わからないことがあれば言ってほしい、とお願いしました。
それから、「①ひとつひとつ、生徒さんの問題をクリアすること(文字の悩み)」
そして、「②客観的に見て(講師や周囲が見て)、きれいな文字になること」
もうひとつ、「③生徒さんが、じぶんの字が好きだ、と言うこと」
この3つがコンプリートすると、
生徒さんが、ものすごくいい表情をすることに気がつきました。
「これだッ」
わたしは、ドキドキしました。
ここに、わたしが目指していた「きれいな字」の定義があったのです。
「手書き力」とは、きれいな字を使って人の心を動かすことである
わたしが
今の時代を生きるみなさんに身につけてほしい「手書き力」は、これです。
「じぶんの字が好きであり、その字を使ってビジネスやプライベートで人の心を動かしていくこと。」
例えば、
「お世話になっているクライアントと会話していて、心に残ったこと、お礼をつたえたいことを手書きで書く」
「子どもが通う幼稚園の先生に、悩み相談にのってもらったお礼をしっかり手書きで伝えたい」
「憧れるあの人に、手書きで気持ちを伝えて印象を残したい」
「就活で、絶対に合格したい企業がある。手書きの履歴書で、相手の心に残るおもてなしの気持ちを伝えたい」
「経営者として、企業ホームページに、手書きの企業理念を掲載したい。イメージアップしたい。」
など。
自分が、心が動く字を書いて、人の心を動かすのです。
これが、私が考える「手書き力」です。
自分の字に恋する、美文字マインドを身につけよう
最近、わたしにも、「ああ、やっぱり私は自分の字が好きだなぁ」と感じる出来事がありました。
これまで使っていた名刺がなくなり、
素敵なデザイナーさんと出会い、新しい名刺をつくることに。
そこで、デザイナーさんから「名刺の裏に、季実子さんの手書きメッセージを入れてみては?」とご提案いただきました。
まだ、途中ですが、こんな感じでつくっています。
名刺の小さな枠に、何を書くのか。漢字とひらがなのバランスは?もらった人が喜んでもらえるメッセージは?
字のカタチはどんなふうにする?
など、アレコレ考えながらつくるのが、今、とても楽しいです。
もらってくれた人の表情までイメージしながら書きました。
レイアウトについては、まいもじの講師のひとり、平畑先生にもアドバイスをもらい「この字は、あと数ミリ下で。印は、この字よりも小さく。この位置マストで。」と厳しく見てもらいました。
まだ出来上がっていませんが、このワクワク、ドキドキする気持ち。
これが、わたしが身につけた「美文字マインド」です。
みなさんにも、恋をするようにじぶんの字を好きになってもらい、美文字マインドを身につけてほしいと思っています。
最後に、もう一度聞きますね。
あなたは、じぶんの字が好きですか?
ここから、あなたの美文字ストーリーが始まりますよ。
お読みいただき、ありがとうございました。
~心が動く大人の美文字レッスン~
東京・表参道の書道ペン字教室myMOJIまいもじ
代表 萩原季実子
(ペン字講師/美文字マインド・クリエイター)